実況界の金字塔の話をさせてくれ（前半）
その二つ名のルーツも知らない人に向けて
人の思い出は美化されるものと言うので、
昔話というのは話半分に聞くのがよいかもしれない。
伝説伝説と言われ尽くしたhacchiの「The immortal」実況と、
それからナポリ界隈でも散々言われる「実況界の金字塔」の言葉。
一体何がすごかったのか。
一度自分なりに考えてみたんですが
ゲーム実況として特異な存在でありながら、
その実普通のゲーム実況ということ。
これじゃないかなと思いました。
・・・
何を言ってるか分からないと思うが、
私も何を言ってるか分からないんだ。
まあ、聞けよ！
１．ゲーム実況としての特異さ
2008年の話をしましょう。
させてくれ。すぐしちゃう。
幕末も出る前(08年9月デビュー)に戻ってください。
えっ、2008年生まれとかいるの？
殺してくれ。
すぐ2008年の話をしたがるマンです。
組曲・流星群の話をするときは呼んでね～！
2008年。
ニコニコは陰キャで盛り上がっていました。
ちょうど今の若者が
何気なしにyoutubeのランキングやtwitterのトレンドを追うように、
私も何気なしにニコニコのランキングを覗きました。
ボカロや東方、【著作権に触れすぎて言えないもの】、
アイマス、自動マリオ、【著作権を侵害しまくってて言えないもの】、
【著作権侵害でしかないのにやたら手のこんでるMAD】、
雑多なもので溢れかえっていました。
ゲーム実況もその奔流の中にいました。
埋もれてたと言っていいのかも？
ゲーム実況は「ゲーム」カテゴリの中のたった1ジャンルでした。
期待値の高いアニソンが発売週だけランキングに載るように、
part1や神回では一瞬だけ表舞台、
総合毎時ランキングの上位に姿を表す存在でした。
6月のことです。
ひときわ高い再生数で賑わっていたのは、
ガイコツのサムネイルの動画。
大体ランキング上位の常連にいる
有名なアニメのMADやボカロではなく、
誰も知らないゲーム実況の、動画でした。
http://www.nicochart.jp/ranking/view/20080612#rank1
有名人がやってるとか、みんな知ってるゲームだとかの
何かしら別の話題性があって伸びたわけじゃない。
普通に動画として面白くて、評価されたものでした。
その証拠に、全てのパートがしばらくランキングに居座り続けた。
ドキッ！イモータルだらけの週間ランキング！
見てくれ！！！
part1は1週間で35万再生。
瞬発的な人気で言えば、一週間で得た再生数は
ryoさんの有名な初音ミク「メルト」を超えています。
それだけ、当時ニコニコ中のニコ厨が、
「実況プレイって何だ？」「そんなに面白いのか？」と再生し、
そして、ついつい続きをどんどん見ちゃったんです。
コメントでの「主」「うp主」呼びは、
当時名もない実況者が
純粋にゲーム実況の面白さで
評価されてることがわかります。
見たこともない、ストーリー性も謎解きも意味不明な洋ゲーと、
当時ニコニコにたくさんいた
「生の声色」が動画に乗ることが苦手な人も
比較的聞き入りやすい、
ちょっと高めで嫌悪感を抱かない声色と、
そしてついつい最後まで見てしまう
飽きのこない巧みな編集、
止まることのないトーク力、
常人じゃないセンスを匂わせる独特の語彙とカット絵、
そして全体を通して流れる、テンポの良さ。
ニコニコそれぞれのバージョンを
象徴する動画につけられるタグシリーズの1つ
のタグが付けられたように、
ヒャダインの曲を有名にした描いてみた動画や
ワールドイズマイン、
ブラック★ロックシューターなどに並ぶ
印象に残る動画のひとつとして、
ニコニコの時代の流れに名を刻むことになりました。
当時イモータルがランキング１位を取る土壌はすでに形成されていて、
ニコ厨全体がゲーム実況的な動画を楽しんでいたのでは？
と思う人がいるかもですが、
イモータル前後のランキングを見てもらえれば分かるとおり、
当時のランキング上位は大抵、作り込まれたMADやボカロなんです。
ランキング１位を振り返る ～2008年上半期～ - ニコニコ動画
いやー騒がしいな。
↑これを見ると、ただのゲーム実況の動画
「謎解き死にゲー The Immortalを実況プレイ」が、
総合ランキングに飛び込む異質さが分かるでしょうか。
当時すでにゲーム実況はそれなりの数あったんですけど、
それでもゲーム実況動画がはじめて、
ニコニコ全体で見ても面白い動画の一つとして、認められ？
デイリー総合ランキング1位に乗った、歴史的な事件でした。
後半につづく→実況界の金字塔の話をさせてくれ（後半） - 好きなことを好きなだけ
